荒馬座について

荒馬座とは

荒馬座は下記の三つのミッションをもとに活動している歌舞団です。

首都圏に民族文化の花を咲かせよう!

荒馬座は、1966年に首都圏唯一の歌舞団として東京板橋に創立されました。
「首都圏に民族文化の花を咲かせよう!」を合い言葉に、東京を始めとして千葉・埼玉・群馬・神奈川といった地域を中心に公演・イベントや太鼓民舞教室、学校や保育園、介護施設などでの公演など幅広い活動を行なっています。日本各地の伝統的なおどり、太鼓、楽器、楽曲など見る人を惹きつけるエンターテインメント集団です。

日本の子どもに日本の踊りを

それを合言葉に、先達者たちが民族舞踊の教育実践を行ってから、半世紀ほどがたつでしょうか。
運動会や授業の中で、日本の民族舞踊や太鼓を始めとする和楽器が少しずつ取り組まれるようになり、指導要領でも取り入れられるようになってきました。民族芸能を通して、子どもたちの生きる力を育みたい。荒馬座も先生方や保育士の方々と力を合わせて、様々な活動を行っています。

人と人との絆をつくる

民族芸能は、人と人、地域をつなぐ上で優れた力を持っています。祭りとは、祖先から手渡された地域の宝です。祭りを作っていく過程に、子どもも青年も大人も成長していき、絆を深める要素がとてもたくさんあるのです。ところが生活の形態が変わり、地域の絆や人のつながりが薄れた現代では、祭りそのものが無くなってしまったり、イベントやショー化してしまい、本来の意味を見失ってしまうことが少なくありません。荒馬座は、民族芸能を通して地域や人のつながりをつくるお手伝いをします。

主な活動

公演・イベント

子どもからお年寄りまで、皆が楽しめるのが太鼓や踊りの魅力、さまざまな規模や構成で公演をおこなっています。イベントのアトラクションの出演などもしています。

太鼓民舞教室

日本の太鼓や踊り、和楽器の楽しさをたくさんの皆さんに知ってもらおうと、板橋・美里センターを始め、首都圏各地で通年開催しています。

学校などの鑑賞教室公演

次代を担う子どもたちに、日本の民族芸能の魅力を伝え体験してもらおうと、幼稚園・保育園や学校の鑑賞会で公演をしています。

その他の活動

芸能取材と文化交流

荒馬座の舞台創造は、全国各地に伝えられている民俗芸能を基としています。

各地でおこなわれている伝統的な芸能やお祭り・民俗行事などの取材へ訪れることも多く、地元の芸能の雰囲気を肌で感じる体験が、荒馬座の舞台創造の原点でもあり、演技者の糧・エネルギーとなっています。

活動内容

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これまでに岩手県岩泉町の『中野七頭舞』、岩手県釜石市『鵜住居虎舞』、新潟県新崎『樽ばやし』、沖縄のエイサーの『園田青年会』などを始めとして、地元で芸能を伝承している各地の保存会との関わりを深め、保存会の方々に直に芸能の手ほどきを受ける貴重な機会も得ています。東京で活動する歌舞団として、東京に古くから伝わる江戸里神楽『若山社中』の方々から江戸囃子や獅子舞などの手ほどきも受けています。

荒馬座創立40周年記念公演『誓い新たに』を機に、岩手県大船渡市の『浦浜念仏剣舞保存会』との関わりも深まり、毎年の新盆供養の行事「初茶供養」にも参加して踊りに込められている地域の皆さんのつながりや思いなどを学ばせていただいています。

また、荒馬座では作品を創る際にさまざまな分野の専門家の方々にご協力をいただいています。音楽や踊りの振り付けなどにご協力をいただき、日頃から演技者がそれぞれ三味線や箏などの楽器などの手ほどきを受けたり、踊りを習ったり、演技部の訓練として演技者全員で稽古をつけていただいたりすることもあります。折にふれて、それぞれの専門家の方々に荒馬座の「あとりえ企画」などに出演していただく機会もあります。

今別で、浦浜で、白鳥で、霊山で
 踊り、叩いて 荒馬座創造委員会 宮河伸行

今別荒馬まつり(青森県今別町)

今年の夏は四年ぶりに復活した祭りが多く、僕も久しぶりに各地の保存会の皆さんと再会し、ご一緒に踊り、叩かせて頂くことが出来た。
 八月五日と六日、青森県今別町の『今別荒馬まつり』で踊らせて頂く。馬と、花笠を被った手綱とりという男女のペアが終始向かい合って踊り、その周りを跳人たちがラッセーラーのかけ声をかけて跳ねるのが本来の荒馬だ。「下から」エネルギーをもらい跳ねる跳ね方は、「上へ」跳躍する『荒馬踊り』とは対照的だ。
 踊る前、堂端弘隆前会長のお墓参りが出来た。四年前に『今別荒馬』と『荒馬踊り』の歴史的競演の企画についてご理解頂きながらも、まつり直前に急逝。座に来て頂くことは叶わなかったが、企画の成功により、今年も下町DONどん祭りに保存会の皆さんをお呼びし、未来に繋がる関係を深めることが出来た。

浦浜念仏剣舞(岩手県大船渡市)

七日未明、岩手県大船渡市三陸町へ。毎年八月七日、新盆を迎えるお宅の庭を一軒一軒まわり、縁側に安置された遺影や位牌に向かって浦浜念仏剣舞を踊る『初茶供養』。荒馬座は東日本大震災以前から毎年この日に踊らせて頂いてきた。もちろん、十二年前はとても一日ではまわりきれない「新盆を迎えた家々」があったことを僕は一生忘れない。
 遺影に選ばれる写真は様々である。着物姿のきちんとした居住まいのおばあちゃんの遺影。ピースしているお茶目なおじいちゃんの遺影…「面」を隔てて視界に入る亡き人の面影。生前の生き方まで思いを馳せながら踊る。
 最後の家は僕もさんざんお世話になった保存会の師匠の家だった。息子さんが太鼓を叩き、お孫さんが主役の踊りを務める。「さあ、お祭りだ!」となんと一時間公演!

白鳥拝殿踊り(岐阜県郡上市)

八月十五日。岐阜県郡上市白鳥町へ。神社の拝殿の真ん中に吊された切り子灯籠の薄明かりの中、下駄の音と唄だけで、しんみりと踊る『白鳥拝殿踊り』。唄は、踊り手自身で、踊り手の中で交代していく。切子灯籠は元々、魔除けであり、先祖の霊を慰める盆提灯。
 座でも舞台に上げた『ドッコイサ』という曲。田植えが終わり、一緒に働いてくれた馬の背に手を乗せ労をねぎらう踊りで、踊り手たちは前の人の浴衣の両肩にそっと手を乗せる。マスクをつけずにすぐ近くで人が歌い、見知らぬ人同士がこうして「密」になりつながる光景は本当に久しぶり。

霊山太鼓まつり(福島県伊達市)

八月十九日、福島県伊達市の『霊山太鼓まつり』へ。『霊山太鼓』は、桐の太くて短いバチで、まるで踊るように身体全体で打ち込む。小太鼓の、左右に上体を揺らしながら叩く叩き方も独特だ。大太鼓の口伝は決まっていない。叩き手がその都度創作したリズム(サク)を競い合う。
 座では大勢の人が輪になって交代しながら叩く『霊山廻り打ち』を創作し、創立五十周年記念公演で実行委員の皆さんに叩いて頂いた。
この曲は原発事故の二年後、福島復興の思いを込めて、霊山町の人たちと共に創作したものだ。その頃関わった人たちが次々に声をかけて下さり、僕も法被を着て一日叩かせて頂いた。
 十二の地域(組)が一斉にサクを叩くのだからすごい迫力。合わせづらいが、「サーッ」というかけ声でみんなが心を一つにしていく。時には違う組に乱入して叩く。違う法被同士がやがてひとつに盛り上がる光景は、岐阜県の『中山太鼓』の祭りを思い起こさせる。
 こうしてこの四つの芸能を舞台で取り上げさせていただいた座のこれまでの創造過程を再確認する夏となった。(2023年8月)

平和や環境への取り組み

太鼓や踊りといった民族芸能を楽しむことができるのは、平和な世の中があってこそ。また、自然環境を守ることは、芸能を守ることでもあります。

荒馬座は芸能を通してこうした活動を広げたいと願い、そうした活動を行っている方々と連携し学びながら、日常の民族芸能の公演活動とあわせて、さまざまな企画やイベント等にも参加しています。

活動内容

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平和への願いを込めて

太鼓や踊りといった民族芸能を楽しむことができるのは、平和な世の中があってこそです。私たちの国ではそう遠くない過去に、戦地に赴く人々を民族芸能によって文字通り「鼓舞激励」して送り出したという重い歴史もあります。
私たちは、平和な世の中で平和な世界で、太鼓や踊りを楽しみたいと願っています。平和な世の中を作るために、平和な世界を作ろうという願いを込めて、太鼓を叩き踊りを踊ります。
平和へのメッセージを込めて活動しているさまざまなジャンルで活動している方々とも連帯して活動を広げたいと願い、日常の民族芸能の公演活動とあわせて、さまざまな企画やイベント等にも参加しています。

環境を守ることが芸能を守ること

地球環境の危機が叫ばれ、すでに身近なところからまた地域や行政からもすでに環境を守ろうという動きがさまざまなところで始まっています。例えば、森は海の恋人と言われ、海の生物環境を守るために、漁業に携わる人々が森の環境や山を守ろうとしている活動などは日本でも各地で広がっています。

自然環境を守ることは、芸能を守ることでもあります。民族芸能を生み育てたのは自然に向き合い自然ととともに生きてきた働く人々です。
そして今、芸能を育て受け継いでいる人々の生活や人々のつながりの中から、自然環境を守り、改めて地域社会の在り方を問い直す動きが広まっていると言ってもいいかも知れません。

荒馬座は、自然環境や環境を守る人々の活動に目を向けることで、改めて民族芸能を生み出す土台となる自然環境や農林水産業に携わる人々、そこで生きる人と人のつながりのあり方に学びたいと願っています。芸能を通してその心を学び受け継ぎ、次の世代にもつなげていくまた新たな民族芸能の舞台を創るために!

国際交流

日本の文化とは?と聞かれた時に、どのような答えをするでしょうか。
国際交流や日本の文化を考える上で、働く人々の生活の中で生まれ育まれて受け継がれてきた日本の民族芸能への視点はとても大切なことだと思います。
荒馬座では、海外公演や外国の方を対象としたワークショップのほか、海外への旅行やホームステイの前に日本の文化を身に付けたいとのご要望にもお応えしています。

活動内容

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荒馬座は、これまでに何カ所かで海外公演をおこなっています。
さかのぼると1975年の「カナダ公演」(東部地区8箇所)に始まり、1993年の「中国・北京公演」(「日中国交正常化二十周年記念イベント」に参加)、1995年の「ベトナム親善公演」(首都ハノイと北部山岳地帯で延べ18ステージ公演)、2007年の「パラグアイ日本人移民七十周年記念公演」、2008年の「ブラジル日本人移民百周年記念荒馬座ブラジル公演」(文化庁国際芸術支援事業・外務省日伯交流年事業認定)など。
縁あってさまざまな団体からの招聘を受けたり、日本の文化として荒馬座を海外の人に見てもらいたいという現地をよく知るコーディネーターやスタッフ、荒馬座を応援して送り出してくれた方々の熱意に支えられて、このように、日本の民族芸能の舞台公演を通して、日本の文化を海外の各地に伝える機会を何度か得ています。
2009年には、「国際交流基金日本文化紹介派遣事業」の一環として、南米のパラグアイとブラジル二国六都市で延べ31回にわたる太鼓指導・太鼓ワークショップなどもおこなっています。

日本の文化にふれる体験をということで、日本に来られた外国の方を対象とした太鼓ワークショップなどをおこなう機会も多くなりました。太鼓や踊り・唄といった日本の民族芸能にふれることが、文化を通じた国際交流の一環となればと思います。

外国語を学んで修学旅行で海外にホームステイする高校などで、事前の取り組みとして日本の唄や踊りを身に付けたいというご要望にお応えしての太鼓や踊り・唄などの講習もおこなっています。

学校での授業・体験プログラム

荒馬座では、「鑑賞教室」として学校に伺うほかに、先生方の研修や模擬授業、学年や学級の子どもたちへの出前授業などさまざまな体験プログラムを用意しています。ぜひ、荒馬座との「伝統文化の授業」を体験してください。

活動内容

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体験学習の実施

「日本の伝統文化にふれる」という趣旨での太鼓民舞体験学習です。庶民の生活から生まれた民族芸能は、日本の伝統文化を学ぶ基本としても、日本人の暮らしや考え方を知る上でも、分かりやすく楽しく伝えることのできるすぐれた文化です。
また現代の子どもたちに必要なコミュニケーション力や創造力を養う知恵も芸能の力のひとつです。

学校行事に向けた授業

運動会や文化祭などでの発表に向けて、太鼓や踊りの演目に取り組み、構成を付けて仕上げるところまで指導します。夏休み中に集中して練習したり、何回か継続して指導します。高校の文化祭に向けて、クラスや生徒会・有志での発表。エイサー・ソーラン節・ぶち合わせ太鼓など。

先生方の研修会

中学校の「和楽器必修」、小学校〜高校までの「総合的な学習」への対応として、先生向けに和太鼓や民舞のワークショップをおこなっています。基本的には20名くらいまで。人数によっては講師複数で対応します。

お祭り・イベントづくり

荒馬座では、イベント等のプロデュース・演出・舞台スタッフ、企画の内容によっては出演までと、様々な形で関わっています。
また、地域でのお祭りづくりなどにも協力しています。荒馬座の地元板橋区で長年続いている「平和盆踊り」にも、地域の文化団体・子育てに関わる団体などと協力しながら、企画から出演まで様々な形で関わっています。

日立市の秋の風物詩―郷土芸能大祭「ひたち秋祭り」

当財団が毎年開催している『ひたち秋祭り』は、これまで、全国から100を超える郷土芸能団体や、地元の団体、芸能に取り組む園児や中学生のご出演を得て、日立市の秋の風物詩として定着しております。
荒馬座様には、開催初期から30年余、子どもたちへの指導をはじめ、開催当日も専門家として様々なご協力を頂いてまいりました。
団員の皆さんの芸能に向き合う真摯な姿勢、清々しい笑顔、生き生きとした立ち振る舞いは、当財団職員の育成にも繋がっております。

荒馬座様の郷土芸能は、華やかな衣裳に負けない笑顔と汗を身にまとい、溌剌と舞跳ね回り、その魅力をみんなに届けてくれます。自己表現や自我の成長を促し、故郷への愛情を育むなど、芸能が持つ力に気づかせてくれます。
これからも気持ちの良い協力関係の継続と、荒馬座様のますますのご発展を心より願っております。

公益財団法人 日立市民科学文化財団
事務局長 飯山直樹

地域のサークルとの交流

家族でも仕事でもない人間関係は、人生を豊かにしてくれます。
荒馬座の準座員が関わったり、荒馬座公演の実行委員会のつながりから、太鼓や民舞のサークルが地域にたくさん生まれています。サークルのメンバーの職場での行事や地域のイベントに出演したり、時にはワークショップや指導に出かけて芸能の普及活動をするなど、活動の範囲も多様です。それぞれの持ち味のあるサークル活動が展開されています。

公演実行委員会の運営

荒馬座公演を地域で実施するためにつくられる集まりです。公演の取り組みは「まつり」をつくることに近い、と私たちは思っています。「まつり」というのは当日があればいいのではなく、それまでの準備の過程が重要です。芸能の稽古もあれば、神輿や山車の手入れや点検、装飾づくりや料理の段取り、もちろん神事もあり、様々な年代の人たちが関わり、時にぶつかりだんだん熱くなっていき、絆が深まっていきます。だからこそ当日のまつりが熱く盛り上がるのです。公演も同じです。実行委員会に参加してくれる人たちは様々な職業、さまざまな人生をかかえています。公演成功というひとつの目的に向かって、チケット売りの苦労や宣伝公演の喜び、協力しあい熱くなっていき、分かれがたい絆がつくられていってこそ、当日の公演が熱く盛り上がるのです。その中で、実行委員本人達が、芸能との出会い、仲間との出会い、自分の再発見をしていく、なんと出会いとドラマに満ちていることか。

創作囃子の作調(作曲)

主に、町おこしの一環として自治体など(教育委員会や観光協会)からの依頼で、地域の太鼓囃子作りのお手伝いをしています。曲を作るだけではなく、創作段階から地元の方々と一緒に太鼓の稽古をしながら、地元の特色を生かしたお囃子となるよう心がけています。

これまでに作調したお囃子はそれぞれが地域のお囃子として地元に定着し、地域の人から人へ世代を越えて受け継がれるようになっています。
また、「荒馬座が作調したお囃子」の団体同士での交流もおこなわれています。

会津鶴ヶ城太鼓

これからも会津に根差して

会津鶴ヶ城太鼓若駒会 会長 井上 敏弘 

四月十六日に会津若松市の會津風雅堂を会場に、『会津鶴ヶ城太鼓若駒会』三十周年記念事業「感謝を込めて」荒馬座公演を、おこないました。若駒会が主催する荒馬座公演は初めてで、なるべく会員の負担をなくすためにどうしたらいいかを考えながらこの事業を進めました。

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集客は正直八百名を目標に進め、事前に千二百枚のチケットが売れ、当日は約九百五十名のお客様に来ていただきました。ほとんどのチケットは会員の力で完売し、改めて若駒会の底力に驚きました。会津の人たちは荒馬座の公演を初めて見たと思います。終わった後のお客様の反応が素晴らしく、「次はいつやりますか?」「感動しました。」と、たくさんのお褒めの言葉をいただきました。
 また、我々若駒会もこの企画の中で第一部の開幕で「会津鶴ヶ城太鼓」を演奏するに当たって、「練習に来れない方は裏方で…」と頼んだのですが、みんなこの舞台に立って演奏したい!と、三十一名が事前の練習に積極的に参加し、本番に挑みました。本番では中太鼓二台と小太鼓二台も荒馬座からお借りして、今までで一番多い人数で演奏をおこない、客席からもあたたかい拍手をいただき、達成感や興奮で胸がいっぱいになりました。すべての会員がひとつになり、自分が知る限り一番いい演奏ができたと思います。終えた後もしばらくは会員全員の興奮が覚め切りませんでした。いろいろ反省点もありますが、我々若駒会にとっては百点満点の公演でした。また、荒馬座の方々に裏方でお手伝いをしていただき、その支えがあったからこそこの事業が成功したと思います。本当にありがとうございました。
 我々若駒会は、これからも練習に励み、会津に根差して活動していきます。荒馬座の皆様、また何か機会がありましたら、会津で演奏していただきたいと思っています。本当にありがとうございました。これからのますますのご活躍を心より願っております。
※「会津鶴ヶ城太鼓」(1987年荒馬座作調)

神川豊穣ばやし

20年のあゆみ そして次の世代へ
神川豊穣太鼓 木村 光伸

 神川町(埼玉県児玉郡)の依頼により荒馬座が作調した「神川豊穣ばやし」が誕生して、二十周年を迎えることができました。私たち『神川豊穣太鼓』はこの「神川豊穣ばやし」を受継ぎ後世に伝えることを目的に活動してきました。この間、私たちを支えていただいたすべての皆様に厚く御礼申し上げます。

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 二十周年記念として、昨年の十一月には「伝承」をテーマに神川町中央公民館で「神川豊穣まつり」を開催しました。オープニングは、総勢七十名での豊穣太鼓の唄「みのり」。舞台も客席も人で埋め尽くされた会場で唄い出したとき、感謝の思いがこみ上げ、改めて身が引き締まる思いがしました。
 二十周年を迎えるにあたり、二十年前の豊穣ばやしを皆で確認し合いました。当時の「VHSテープ」を観た後には、ベテラン組の「あの頃の自分たちの熱気を今の若手にも体験してもらいたい。」と言う願い、若手の「俺たちも何かやってやろうじゃないか!」という想いが膨らみ、交差して、稽古を重ねるたびにだんだんと噛み合うようになってきました。
 私たちが作詞した豊穣の唄「みのり」には「叩く われらの 心意気」という歌詞が繰返し出てきます。「心意気」と口で言うのは簡単ですが表すのは難しいものです。しかし、叩く「一打一打」の中で、奏でる「お囃子」の中で「その心意気」を「伝承」できたと思っています。
 そして、荒馬座の皆さんには舞台に花を添えていただき、ありがとうございました。特に「ぶちあわせ太鼓」は「神川豊穣太鼓」のメンバーが地元の小学校・中学校で二十年間指導してきたので、この機会に地元の皆さんに荒馬座の「ぶち合わせ」を観てもらうことができ、本当によかったです。
 二十周年記念の豊穣まつりを観ていただいたお客様からはあたたかい言葉をたくさんいただき、本当に「よい二十周年」を迎えることができたと思っています。今後は「神川豊穣ばやし保存会」への道が待っています。みんなで力を合わせて頑張っていきたいと思います

大安寿太鼓

いなべ市和太鼓協会『新曲お披露目』新曲を次世代の子どもたちへ!
いなべ市和太鼓協会会長 森 千秋
 

四月二十一日に三重県いなべ市新庁舎竣工式で、いなべ市和太鼓協会十周年を記念した新曲のお披露目をおこないました。壱の曲「天(てん)馬(ま)」(未来を担う子どもたちが天高くはばたくように)、弐の曲「千穐(せんしゆう)」(実りの秋、作物も人も豊かに実れいつまでも)、参の曲「万(ばん)勢(ぜい)」(何があってもたじろがずいつの世までも)の三曲構成。『山口龍華太鼓』『桐林太鼓』『大安寿太鼓』の三団体合同の総勢三十四名の演奏で披露しました。

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新曲を作るにあたり『いなべ市和太鼓協会』の十周年を記念し、いなべ市の旧町意識を越えた統一した文化作り、青少年の育成、協会が合同で演奏できる曲として、いなべ市新庁舎竣工記念に出演できればと、大安寿太鼓と同じく荒馬座の金沢真美さんに作調を依頼しました。二〇一七年三月には市内保育園と小中学校の子どもたちと荒馬座の演奏で試演会をおこない、その後二年間の稽古を経て新曲完成の運びとなりました。
協会三団体合同での演奏は初めてのことで、各団体の今まで演奏してきた曲や打ち方などもさまざま、また三歳から七十八歳までと参加者の年代も幅広く、いろいろ戸惑うこともありました。本格的な合同練習に入ったのもお披露目の時期も迫った二月からでした。しかし、稽古を重ねる中で、太鼓を通したコミュニケーションも深まり、金沢さんの変わらぬ情熱にあふれた指導も加わり、急ピッチで仕上がっていきました。
公演の最後は、昭和四十年代の「員弁(いなべ)音頭」を二〇一六年に「いなべ市和太鼓協会バージョン」にリニューアルした「いなべ音頭」で各団体・メンバーを紹介してお開きとして、華やかなお披露目公演となりました。改めて、関係者、協会メンバー、スタッフの皆さんに心より感謝をいたします。
この新曲お披露目の合同演奏で同じ舞台に立ち息を合わせ心をひとつにした喜びを胸に、今後はそれぞれの団体の活動を通して、この新曲を次世代の多くの子どもたちに伝え、継承していきたいと思います。ありがとうございました。

準座員の活動

荒馬座は専門の歌舞団ですが、別に仕事を持ちながら荒馬座の活動をしているメンバーが「準座員」です。「荒馬座研修生」の修了者を対象としています。


現在「荒馬座準座員」は100名を越え、「働くものの文化を働くものの手でつくろう!」と首都圏各地で荒馬座の活動を支え広げる大きな力となっています。準座員のメンバーのそれぞれの職業は、保育園や小学校・養護学校など教育・福祉関係、また自営業・一般企業など多岐にわたっています。
「準座員」は、舞台公演、保育や学校現場での太鼓民舞の実践、地域の太鼓民舞サークルでの活動などを中心に、それぞれの地域や職場で活動を広げ、荒馬座とともに民族芸能を通して人と人をつなぎ、地域をつなぐ文化作りをしています。2023年2月には準座員創立40周年記念公演『今、ここに』をおこない、お互いの絆をつくりつつ、さらに活動を広げています。

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