公演イベントレポート

四季折々のまつりの舞台!大人は懐かしく!子どもたちは心地よく!

『ふるさとまつり四季彩々』―むなかた・福間津屋崎・古賀新宮・福岡みらい子ども劇場合同7月例会―

 7月20日・21日に、むなかた、福間津屋崎、古賀新宮、福岡みらい子ども劇場合同の七月例会として荒馬座公演『ふるさとまつり四季彩々』を実施しました。 

 事前の取り組みとして六月に、出演者の金沢真美さんを迎えて座談会と「さんさ踊り」のWSを行いました。「まつりは、人と人との関係を作り、文化を伝えていく場所、どんな地域なのか、まつりから見えてくる」という金沢さんの言葉が心に残りました。「さんさ踊り」WSでは、子どもたちはすぐに覚えて、今でも楽しく踊っています。 

 当日の舞台には、演目のひとつひとつに四季折々のまつりがあり、大人は懐かしさで、子どもたちは心地良さで胸がいっぱいになりました。ソーラン節では、会員の中から数人が太鼓を叩き、太鼓初体験の子も楽しく叩けて「また太鼓を叩きたい!」と喜んでいました。

 荒馬座の皆さんの鍛え上げられた技の数々には終始目が離せませんでした。「おまつりをして働いて…」と繰り返される言葉に、わたしたちの祖先が、日照りや水害にも負けずに命をつないできたことが偲ばれ、胸が熱くなりました。まつりで豊作を祈願し感謝し、次のまつりを心待ちにする! ずっと続いてきた営みの尊さが伝わってきました。 

私たち子ども劇場は、親子での生の舞台鑑賞を年に五作品、子どもたちの主体的な活動と一緒に実施しています。その五作品の中で、豊かな四季を感じられる荒馬座の作品を幼児から大人まで心ひとつにして鑑賞できたことは幸いでした。 

 私の荒馬座さんとの初めての出会いは、1997年子ども劇場の低学年例会『風のまつり~夢は野を越え山越えて』でした。体育館の天井いっぱいに飾られたのぼり、風の音とともに体育館中を駆け回る荒馬座の皆さんの一挙手一投足にくぎ付けでした。元気と勇気をいただきました。片付け後に荒馬座さんが輪になって、私たちスタッフの為に歌ってくださった貝殻節が忘れられません。今でも心の奥底で響いていて、思い出しては心が洗われる思いがします。2022年コロナ禍の中で『実りのまつり―米作りと芸能』を実施しました。事前WSの際に荒馬座の宮河伸行さんが来られました。その時、コロナ退散祈願の剣舞を披露され、皆胸が熱くなりました。その後の「荒馬踊り」のWSでは大人はへとへと、子どもは元気満々!例会当日は、日常生活から祭りが消えてしまっていた時期でしたから、舞台を観た多くの会員達が、「ここにはまつりがある!」と喜びの声をあげていました。

荒馬座の舞台は、自然とともに生きその恵みに感謝してまつりを行ってきた先人達の苦労や、皆との助け合い、豊作の大きな喜びなどが表現されています。人の営みへの温かさに満ちていて、観ていると元気で優しい気持ちになれます。そして観ている私たちをいつも力づけてくれます。地球温暖化で四季ではなく二季に近くなり、また、様々な事情から生きづらさを感じている子どもたちも多くなっている今こそ、日本中で荒馬座を! と願っています。

古賀新宮子ども劇場(福岡) 事務局長 中山 早由利 

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