公演イベントレポート
2025/11/03
おとなも子どもも障害のある仲間たちも
祝!第十回 笑顔咲く春まつり


おもしろそう!障害が重い子でもできるかも!という理由で、経験者も指導者もいないのに越谷養護学校(当時)の児童生徒とその保護者、教員で和太鼓サークルを結成してからちょうど三年目に、初めて荒馬座の舞台を観ました。もっと早く知りたかったと、心底後悔するほど荒馬座の舞台は衝撃的に素晴らしく、きっとそのときから荒馬座の応援はライフワークになったのだと思います。 「荒馬座を応援したい。荒馬座、民族芸能の楽しさを多くの人に知ってもらいたい」「障害者たちの晴れの舞台をつくりたい」という個人的な思いが、「荒馬座の公演・講座・ワークショップをさいたま市・周辺地域で開催し、サークルを活性化させたい!」という、サークルやみんなの目標に結びつきスタートした笑顔咲く春まつりでした。 第一回『笑顔咲く春まつり』が開催されたのは二〇一三年四月。第三回までは隔年での開催でしたが、第四回以降毎年開催となり、今年第十回目の節目を迎えました。この企画は、第一部サークル発表会と第二部荒馬座公演がほぼ同じ分量で、「荒馬座、民族芸能の楽しさを多くの人に知ってもらいたい」「障害者たちの晴れの舞台をつくりたい」というふたつのコンセプトを同時に叶えるもので、荒馬座公演としては初めての形であったと聞いています。 この場での発表を目標にすることで、サークル活動が生き生きしてきました。準備や稽古をともにすることで、仲間たちの交流と新たな出会いが生まれ、たくさんの挑戦がありました。毎年のように研修生、準座員を送り出し、手伝ってくれる仲間や準座員が増え、『笑顔咲く春まつり』がたくさんの人と人を繋いでいること、良い影響になっていることが嬉しいです。


今年は、第十回を祝う夏野菜×荒馬座の獅子舞・両面踊りにこれまで以上に真剣に取り組み、夢のような時間を過ごしました。また荒馬座とコラボできる日が来ますようにと、引き続き精進しています。「やりたいことがある。行きたい場所がある。会いたい人がいる。一緒に過ごしたい仲間がいる。…それらは未来への希望。生きる力。子どもたちの生きる力を育むために、たくさんの経験をさせて、『楽しみ』を持ってほしい。」ずっと言い続けてきたことだけど、何も障害のある人に限ったことではなかった。私たちも、何歳になっても、やりたいことがあり仲間がいることは、楽しくて嬉しくて素敵なことですね。 毎年会場に足を運んでくださる皆さま方、快く送り出してくれる家族、応援してくれる友人。第一回から私たちの思いを受け止め全力で支えてくださる荒馬座の皆さま。そして、一緒に進んでくれる仲間達。たくさんの人々の協力と応援あってこその十回の笑顔咲く春まつりでした。 これからも私たちらしく皆の晴れの舞台を作っていきます。来年は荒馬座創立六十周年の年でもあり、今回以上に特別感を感じながら取り組んでいきたいです。 来年もたくさんの笑顔が咲きますように。
中根登紀子(「笑顔咲く春まつり」実行委員長)


