活動レポート

ふるさとのうたがきこえる 荒馬座三人公演

2010年2月11日

上尾の『はなだいこん』というのは、荒馬座の後援会員岡田陽子さんのご自宅のアトリエです。岡田さんは、今回の出演者の金子満里の中学時代の恩師で音楽を三年間教えていただきました。荒馬座の準座員で上尾和太鼓の会『若駒』の方に誘われて、岡田先生も太鼓を始めて十年ほど。ご自宅を新築する際に別棟に荒馬座の稽古場とほぼ同じ広さのアトリエをつくり、『若駒』や『桶川花太鼓』といった地域の太鼓サークルの稽古の場にも提供されています。
そして、岡田さんはこのアトリエをつくった4年ほど前から、この場所での荒馬座公演の企画を胸に温めていてくれ、今回の「荒馬座三人公演」の運びとなりました。

上演プログラム

写真

第一部

◆さんさ踊り
◆浦浜念仏剣舞
◆しの笛 ‐山唄‐
◆西馬音内盆踊り
◆秩父屋台囃子
◆獅子舞

第二部 ‐上尾和太鼓の会『若駒』の皆さんとともに‐

◆ソーラン節
◆ぶち合わせ太鼓
◆八丈島太鼓
◆最上川船唄

三人公演の紹介

写真今回の内容は大人向けに構成しましたが、地域や主催者・観客対象に合わせてさまざまな形での上演ができます。ここ二・三年、川越や群馬での「荒馬座二人会」、おやこ劇場での小公演とワークショップ、今回のように個人のお宅でのアトリエ公演などもおこなっています。少人数での公演の要望もいろいろといただいています。

小さな会場で互いの息づかいを近くに感じ合いたい。世知辛い世の中だからこそ、小さな空間でほっとするひとときを過ごせるような公演が求められているのかもしれません。荒馬座としても今後のさまざまな公演を展開するにあたっての参考ともなる貴重な機会となりました。

今後ともさまざまなご要望にお応えして地域の皆さんと一緒に公演づくりをしていきたいと思っております。よろしくお願いします。

公演の模様 (演技者:金子 満里)

写真せっかくの『はなだいこん』という身近な空間での公演なので、演技者三人のそれぞれの持ち味をお客さんが間近で感じてもらえるようなものを届けたいと、出演者それぞれが工夫を凝らしました。

私は地元上尾の民謡を紐解き、会場の皆さんと上尾に伝わる「麦打ち唄」を唄いました。私事ですが、この公演で中学校時代の同窓生に何十年ぶりに再開。彼女は太鼓サークルを作り自分の子どもの中学卒業(私たちの母校)のお祝いに太鼓で送り出したいと猛特訓中とのこと。思いがけない出会いに大感激でした。
上尾の地に育ちながら地元の民謡などにふれることがなかった私ですが、改めてふるさとの原風景を感じながら、そんな同窓生や先輩・恩師、地元の皆さんと一緒に「ふるさとのうた」を唄うことができ、幸せな時間をいただきました。

荒馬座としても、身近な空間での出演者三名での上演の機会を得て、新たな演目への挑戦もでき、たいへん貴重な体験をさせていただきました。

写真出演者の宮河伸行は、『四十周年記念公演』で取り上げた「浦浜念仏剣舞」を浦浜への思いを丁寧に伝えながら会場に白檀の香を焚き舞を披露しました。

金沢真美は、自身も三十年前に地元秋田を訪れじかに手ほどきを受けるなど惚れ込んできた「西馬音内盆踊り」を自ら手縫いした端縫いの衣装でしっとりと踊りました。

その他、第一部では照明の効果を使って「さんさ踊り」・「秩父屋台囃子」なども披露しました。

また、第二部では『若駒』の十二名の皆さんとともに「ソーラン節」を踊り「ぶち合わせ太鼓」を叩き、会場の熱気は最高潮!とてもあたたかい拍手に包まれました。地域のサークルの皆さんと一緒の舞台に立つことでサークルの雰囲気を実感でき、お互いいい刺激となりました。

写真写真

アンケートより

写真感想に寄せていただいた短歌をご紹介します。

「春立ちていまだ冷たき夕の気を
しの笛の音の沁み透りゆく

あみ笠に顔を埋めて舞ふ女の
白き指先しなやかに反る

桴高くまた低くにと捌きつつ
大太鼓打つ腕たくまし」